マグノリア

マグノリア

LIFEの杉山サボテンです。ポール・トーマス・アンダーソン監督作品が大好きです。
「マグノリア」は彼の作品の中でも、“とっても好き”にあたる作品です。

今回はそのサウンドトラックのご紹介にあわせて映画の内容にも触れてみたいと思います。
まず、このサントラはほとんど、シンガーソングライターであるエイミー・マンのアルバムといっていい内容になっています。
収録曲のほとんどが彼女による曲によって構成されているからであり、P・T・アンダーソンが彼女の曲からインスパイアされて、映画マグノリアができているからです。
エイミー・マンはアメリカ、バージニア州生まれで、1980年代後半に活動した「ティル・チューズデイ」というバンドの元べーシスト兼ヴォーカリストで、1990年以降はシンガーソングライターとして活躍しています。
彼女の声は少しハスキーで、曲調はポップでありながら、少し切なく胸に沁みこみます。

マグノリア

映画の内容に触れておきますと、LA郊外に住む、一見何の繋がりのない男女9人の24時間にわたる出来事を綴った群像劇。
なんといってもトム・クルーズが最高の演技を観せてくれます。
過激なSEX教祖を演じ、ゴールデングローブ賞最優秀助演男優賞を受賞しているのですが、当時数本の監督作品しかない30歳に満たなかった監督にトム・クルーズが出演したいと話を持ち込んだというからトム・クルーズのフットワークの軽さに感銘を受けます。
3時間を越える長編ですが、ラストのシーンが突飛な演出のために、物議をかもしました。

マグノリア

そして収録曲の中でも、なんといっても思い深いのが、「Wise Up」です。
この曲は劇中で、バラバラの場所にいる登場人物たちが予定もなく、数珠繋ぎにこの曲を口ずさんでいくという、現実ではありえない演出がされるのですが、これがどうにもこうにもロマンティックです。
登場人物のすべての人間が心に痛みを抱えた人ばかりですが、エイミー・マンの曲は彼らと私たちに後悔と向かい合い、前進する勇気を与えてくれます。
お聞きになられたい方はお店にてリクエストしてください。