凶悪 ある死刑囚の告発


凶悪 ある死刑囚の告発

久々に。久々に読みごたえのある本に出会えて感動してます、ライフの宮川です天狗
本が大好きなのですが、なぜだか最近めっきり本読みたい心がしぼんでしまって…ショッキング
どうした私、と自分の事ながら焦っていたところ。
友達が「これすっごく面白い、めちゃくちゃオススメ!!」と貸してくれた本がこちら。
「新潮45」編集部編 凶悪 ある死刑囚の告発

10ページも読み進めないうちに「これは…面白すぎる…びっくり」と驚嘆。
最近、本当に本を読んでいなかった事もあり、大げさなようですが改めて読書の素晴らしさを再認識させてもらいました拍手

「上申書殺人事件」として有名な事件の仔細がここに書かれています。
そう、この本はノンフィクションなのです。
まずこの恐ろしい内容がノンフィクション、実際に行われた犯罪だという事にも震えが来ますが、更にその事件が発覚に至るまでがまるで小説のようにドラマチック。
短期間の間に二人の人間を殺した元ヤクザの男に死刑判決が下る。
最高裁に上告中だが、死刑の確定は多分間違いない。
その男が塀の中からある雑誌記者にコンタクトを取る。
彼には果たしたい目的があったからだ。彼は必死で記者に訴える。
「今自分が裁かれている事件以外で、表に出ていない殺人事件がある。
それに自分は加担したが、主犯格の男は今この瞬間もなんら法の裁きも受ける事なく自由の身でいる。」
死の淵に立たされている男からの告発である。
そう、彼の目的とはその主犯格の男、“先生”と呼ばれている男を地獄に落とすこと…。
まだ自分の死刑判決が確定しない時に、さらなる殺人の犯行を自供するという事は罪を更に重くし死刑が決定的になるという事。まさに捨て身の告発である。
この本、映画化もされています目
告発する死刑囚役にピエール瀧、告発を受けて事件を追う記者役に山田孝之、そして疑惑の“先生”役にリリー・フランキー。

凶悪

前からこの映画が面白い!!と聞いていて、見たかったのですが、まさか実話だったとは…!?
それも友達が教えてくれて、またまたビックリびっくりびっくり
この映画もだいぶヤバそうですよ~うっしっし
ピエール瀧がこの本の筆者いわく死刑囚の本人より怖かった、そう見ざる
どんなですかあせあせ
面白いが、人には勧められない…というほど恐ろしい映画だそうです青ざめ

凶悪

死刑囚が更に他の事件を告発、更に裁きを受ける…というのは司法界でも戦後初で異例の事件だったそうです。
どんな衝撃が走ったのか、想像にかたくありません。
この筆者の宮本太一氏は、後に「新潮45」の編集長にまでなられた方。
本物のジャーナリズムを見せつけられた気がします。
文章が上手すぎて本当に感動してしました泣き笑い
ノンフィクションながらスパイスの効いた文章であっという間に読んでしまいました。
あくまでも取材者という立場を保ちつつ事件を断罪する鋭い語り口が見事です拍手
こんな事が本当にあった話なのか…と信じられないほどの恐ろしい事件です。
人間の業の深さを少し知り得る本です。