鹿の王 上橋奈穂子

鹿の王 上橋奈穂子

以前もご紹介した本なのですが。
「鹿の王」 上橋奈穂子 上巻:生き残った者 下巻:還っていく者
実はさわりしか読んでおらず、夏休みの間に一気読みしました。
分厚くしかも上下巻だったのでしり込みしていたのです泣き笑い
ここしばらく、小説らしい小説を読んでおらず本離れに自分の事ながらハラハラしていたのですが…
この本は面白すぎて本当に一気に読んでしまいました。
最初にこの本をブログに書いた時は上橋先生が国際アンデルセン賞を受賞されたというめでたいニュースで沸いていたのですが、今回下巻を買いに行ってなんと2015年本屋大賞も受賞されたと知ってビックリ拍手拍手
良い本が正しく評価されるのは嬉しい事ですね八分音符
これだけ評価が高い本だからか、最近いろん本屋さんでいつも平置きされていて、なんだか嬉しくなってしまうのですてれてれ
沢山の人に読まれるといいな~ドキドキハートと。

鹿の王 上橋奈穂子

命を捨てた戦士たちの集まり、「独角」。
その独角の頭であるヴァンは仲間を全て失い奴隷として扱われる。
ある日収容所が謎の黒い犬の群れに襲われ、奴隷のみならず看守に至るまで一斉に死に絶えてしまう。
その中で生き残ったヴァン。
同じく生き残った赤子を見つけ、共に脱走する…。
天才と謳われる若き医師、ホッサルは遥か昔祖国を滅ぼした黒狼熱が何千年もの時を経て姿を現したのを目の当たりにする。
その病は発病すると短期間でほぼ死に至る。
恐ろしい病に立ち向かうホッサル。
蔓延を防ぐ為、病の源を追っていくとなにやら深い闇に包まれた企みを知る事となり…。
ヴァンとホッサル、この全く立場の異なる二人を軸として話が進んでいきます。
この方の物語はファンタジーの世界でもまるで本当にこんな世界があるかのようなリアリティのある緻密な設定で、その中での人の暮らしぶりなどが丹念に描かれており、まるで伝記を読んでいるような気分になります。
ファンタジーで戦いなどの場面もあるのですがなんでもないごく普通の日常なども丁寧に書かれており、描かれているのはどんな時代や場所にも変わらずにある人と人のつながり。
それが立場やそれぞれの思惑でねじれたり争いに発展したり、逆に深くつながったりと、普遍的な人の営みを感じさせてくれます。
子供の時にこんな本に出会えたら幸せだろうなあと思いました。
もちろん、大人が読んでもとても面白い本ですが、お子さん達にぜひ読んでもらいたい本です。
読み終わってからも何回も読み直してしまいました。
読んでる最中は物語が終盤に差し掛かるのを感じてさみしくて仕方なかったです泣き笑いネコ
燃える火のような赤い毛に覆われた火馬。
悲しい運命を辿るこの美しい赤い馬が雪原を駆ける描写、まるで火花が散ったかの様。
という部分なのですがそれがまざまざと目に浮かぶ様ですっかり見た事もない馬に魅了されました目がハートネコ
飛鹿など実際には見ることの出来ない動物たちが物語の大事な部分を担うのですが、その描写が素晴らしく生き生きしていて、その動物たちを愛でる人達もとても好ましく思えました。


精霊の守り人

そしてなんと!!
前回も紹介した同じく上橋先生の「精霊の守り人 」、私も大好きなのですが!!
2016年からドラマスタートびっくり!
あの現実ともうひとつの世界が重なる不思議な世界観をどう表現するのか…
今から楽しみでなりません勝ち誇り