フランソア喫茶室
ライフアドアの中村太一です
先日、京都の名店「フランソア喫茶室」に行ってきました
昭和9年の創業以来、多くの芸術家や文化人が集り、激動の昭和初期を共に駆け抜けた歴史ある喫茶室であります
もともとフランソアさんは創業者の立野正一氏が、戦時色が深まり自由な言論が困難になっていく時代に抗して、反戦や前衛的な芸術を議論する場として提供しようとされたそうです
四条西木屋町を下がった繁華街にありながらも、店内に入るとそこは別世界
豪華客船のホールをイメージしてデザインされた内装で、17世紀頃に流行したイタリアバロック様式を取り入れた華やかな装飾が施されています。
店内にはヨーロッパの古いランプや赤いビロードの椅子やテーブルは創業時から変らないそうです
僕は今までに味わったことのない空気感で衝撃を受けました
ただ単にノスタルジックとは語れず、時代は変わっても斬新でモダンなセンスを感じます
歴史がつくりだす重み、そして人がつくりだす深み。フランソアという船は様々な人を乗客し、時の流れを今も静かに航海しているのです
同じ空間で時間を過していることがとても贅沢に思いました
珈琲を頂きながら、店内で流れているクラシックを聞いていると優雅な気分になり、身をゆだねるようにマッタリとできました
フランソアさんでは、午前中は室内楽が、午後からはベートーヴェンやブラームスの交響曲が流れています。
でも閉店前は一日の疲れをほぐす柔らかな音楽をと、シャンソンをかけられます
ラストに流れるシャンソンが本当に癒され最高でした
ちなみに店名の由来は「落穂拾い」の名画で知られている画家、フランソア・ミレーから付けられているそうです
店内にはピカソやリトグラフ、ジャンコクトーなどなど、立野氏が収集された美術品の数々も飾られています。
画家や小説家、映画・演劇人など、錚々たる顔ぶれを乗船してきたフランソア喫茶室
歴史と芸術を感じる素敵なお店です
皆さまもぜひ行ってみて下さい
フランソア喫茶室
京都市下京区西木屋町四条下ル船頭町184
TEL 075-351-4042
営業時間 10:00~23:00
定休日 12月31日、元旦のみ休日