Patti Smith Vol.2
ライフアドアの中村太一です
ニューヨーク・ドールズの前座でのパフォーマンスが反響を呼び、アンダーグラウンドシーンから世に出始めたPatti Smith
セントマークス教会での舞台でギターを務めたレニー・ケイとコンビを組み、ピアニストにリチャード・ソウルを採用。
いよいよ自分達のレコードを制作することになります
1975年アリスタ・レコードよりリリースされたデビューアルバム「Horses」
プロデューサーはなんと、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの奇才、ジョン・ケイルが担当
「Horses」のリリースは音楽シーンに大きな衝撃を与え、文学的な詩をエキセントリックに歌うパティの存在は、まさに時代の象徴となったのです
多くのファンやマスコミから絶賛の声が寄せられる中、翌76年に2nd「Radio Ethiopia」をリリース。
よりロック色が強まった作品でした。
時代はパンクブームを迎え彼女は「パンクの女王」として受け入れられていきます
1979年アルバム「Wave」をリリース後パティは一度引退。
MC5のギタリスト、フレッド・スミスと結婚し2人の子供を授かりました
そして1988年に「Dream of Life」をリリースし復活するのですが、その後彼女は度重なる不幸によってどん底まで追い込まれることになるのです。
それは長年の友人だったメイプルソープの死。
バンドメンバーだったリチャード・ソウルの死。
さらに最愛の夫フレッド・スミスまでも亡くなってしまい、さらに追い打ちをかけるように彼女の弟までも亡くなってしまいます。
ショックに打ちのめされた彼女は活動を休止してしまうのです。
長い月日が経ち、立ち上がることの出来なかったどん底の状態から彼女を救い出したのは、なんと彼女のアイドルだったボブ・ディランでした
ボブ・ディランが自分のコンサートツアーの前座に出演しないかと声をかけたのです。
そして舞台に立った彼女は「歌う」と言うことが自分にとっていかに重要か再認識し、彼女は再び立ち上がったのです
ブランクをものともせず96年に「Gone Again」97年に「Peace And Noise」をリリースします
僕は偶然にもこの2枚のCDを購入したのですが、色々調べてみてその事実に衝撃を受け、必然的なものを感じました。
深い悲しみや喪失感を抱きながらも、凛とした彼女の歌声とポジティブさに心打たれます
この2枚のアルバムはパティにとって大きな意味を持つものだと思いました。
現在66歳、昨年はフルアルバム「Banga」をリリースし、10年ぶりに日本で単独来日ツアーも行われました
パンクの女王Patti Smith
女性ロックシンガーのありかたそのものを変えたロックの歴史の偉人であり、大地に根を張り、力強く生きるその姿は生きながらに伝説となり、また新たに伝説を生み出しています
長くなりましたがお付き合い頂きありがとうございました
最後に一曲「Gone Again」をお聴きください。