プロジェクトA

Story 20世紀初頭のイギリス殖民統治下の香港。
水上警察のドラゴンは海賊逮捕と乗組員の救出に乗り出す。
ドラゴンとライバルである陸上警察のタイガーと海賊の財宝を狙うコソ泥のフェイも加わり、A計画(プロジェクトA)が発動される。
出演:ジャッキー・チェン、サモ・ハン・キンポー、ユン・ピョウほか

プロジェクトA

私が幼きころ、ヒーローはジャッキー・チェンだった。
純カンフー映画時代のジャッキー・チェンとブルース・リーを比べて思うのは、ブルースとジャッキーの違いはブルースは物語の初めから強いのに対し、ジャッキーは初め、いわゆる「オチこぼれ」であり、修行により大成し最後は悪を討つというサクセスストーリーにあるのではないだろうか。
そこに幼き私は強さへの憧れと可能性を感じ、胸を躍らせていたのだと思う。
カンフーが本当にかっこよくて実戦でも強いのだ、と信じていた。

「プロジェクトA」は、純カンフー時代を経たジャッキーの次のチャレンジであり、カンフーをアクション映画として取り込み新境地を開いた、まさにジャッキーの黄金期の作品だろう。
本編開始前のおなじみのゴールデン・ハーベスト社の長方形が四つ重なるクレジットから気持ちの高鳴りは加速していき、オープニングから飛ばしまくりの自転車アクションを皮切りに、テンポよく映画は突っ走る。

プロジェクトA

ジャッキーが代わりのスタントを起用せず、自分でこなすことは有名であるが、この映画で有名なシーンの一つである、時計台からの落下シーンは3カット使用されているが、1回の撮影で別アングルから撮ったのではなく、ジャッキーが3回撮影するために3回落ちているというのだから、ジャッキーのとんでもなさ具合が伺える。
それにしても、やはりジャッキーといえば、サモハンとユンピョウととの、トリオである。
息のあったアクションで、この三人が揃えばこちらのテンションは最高潮に達する。
痛快なアクションとお茶目なコメディぶりで魅了してくれる三人であるが、ここで、三人が香港映画界に入るまでにすごした厳しい京劇の学校での生活を描いた青春時代の映画「七小福」もご紹介しておきたい。
こちらを観ていただくと、後に大活躍する彼らの姿により一層の思いを持って観賞できること請け合いである。
ちなみにサモハンは学校の先生役で出演している。
そんな素敵な三人組だが、当時人気絶頂のときに、日本武道館で三人でコンサートを開いたことがあるらしい。
いったいどんなコンサートなのやら想像が尽きないが、その時三人が時代に選ばれていたのは間違いないだろう。LIFE杉山サボテン

ユン・ピョウ