グロリア

グロリア

1980年、アメリカのインディペンデント・ムービーの父、ジョン・カサヴェテスが脚本も兼ねて監督し、商業的にも成功した「グロリア」
主演は監督の妻でもあるジーナ・ローランズ。

ニューヨーク サウスブロンクスのアパートでの一家殺害事件で唯一生き残ったプエルトリカンの少年の身柄を成り行きで引き取ってしまい、マフィアに追われるはめになる。

追われ身の二人が次第に心を通わせあっていくストーリーは、後にリュック・ベッソンが監督作品「ニキータ」に登場するプロの掃除屋のアナザーストーリーとして発展させた、掃除屋レオンと少女マチルダの物語でモチーフにしている。

グロリア

中年女性が他人である少年と、それを助けてしまった事で追われ身になった自分との間に特別な関係が構築されていくのだが、ストーリーの秀逸さとテンポが良い演出もあり、銃をぶっ放す度にどんどん逞しくなっていく主人公のグロリア姐さんが美しいほど輝きを放っていきます。

夫の映画製作の為に激しいアクションもこなしてしまう女優ジーナ・ローランズの演技が本当に素晴らしい。
何故かこの映画を見ると自身と母の事を思い出してしまうのだが、無意識の中に母性を求める事のあらわれなのか?
また自分の潜在意識の中にある父性のようなものがざわつくようでもある。

グロリア

ビル・コンティのスコアも美しく、ガラが悪かった時代のNYの映像もリアルでいて見応えがあります。
また、バスルームでの二人の会話とエンディングでグロリアのセリフが泣けました。

映画は多くを考えさせてくれる。
子供が出演している映画イコールOK的、じゃない骨を感じる監督の演出による女優の演技が光るおすすめ映画です。