Bring Me the Head of Alfredo Garcia ガルシアの首

男が男らしかった時代、70年代のメキシコを舞台にしたアメリカのバイオレンス・ムービーBring Me the Head of Alfredo Garcia ガルシアの首」。
正真正銘、サム・ペキンパー監督の濃厚で暑苦しい映画。

Bring Me the Head of Alfredo Garcia ガルシアの首

地主の金持ちが娘を孕ましたアルフレド・ガルシアという男に賞金を懸け「首とって持ってこんかい!」が発端で始まる物語。
そんな金の匂いを嗅ぎつけた男達の中に、バーのピアノ弾き稼業で食い繋いでいる主人公ベニーをウォーレン・オーツが見事に演じています。

最近は草食系男子なるモノが流行していてアッサリスッキリ、オシャレスマートでミニマルな人が流行だそうですが、そんなもん知らネーDEATH!

中年の冴えない髭面のオッサンが再起を図り必死に生きている姿が、人の持つよくどおしさや汚さも含め悲しさなども交じり合いハッキリ言って美しい。
人間味溢れ過ぎ、トゥーマッチ過ぎで非常にシビレます。

Bring Me the Head of Alfredo Garcia

メキシコの乾燥した砂埃の中をドロドロになりながら、胸元はベットリ汗ばんでいて顔なんかテカテカ。
煙草と酒、汗ばんだ獣の匂いと拳銃撃ちまくりで火薬のスメルが始終漂ってくる。
非常に生々しくて汚らしく、生理的にダメな方も多いかもしれませんが、小生などはこの手のダメンズ映画が好物でして興奮してしまいます。

草食達にもこの映画と同監督の「ワイルドバンチ」はビールかテキーララッパ飲み&油汁滴る手羽先の照り焼きなんか食べながら見て欲しいと思います。
手なんか洗ったり拭いたり必要無し。舐めろ。

ガルシアの首

製作・興行会社とのトラブルなんかぶっちぎっていたらしく「俺の映画」を作り上げたペキンパー、最強で最狂。

愛人のエリータにもグッときましたがラストシーンがこれまた本当に最高。
スローモーション、銃撃戦、アウトローなクセ者達、主人公ボッロボロ、愛する者を奪われた怒り、男の意地と誇り、見た人だけが感じれるカタルシス。