みをつくし料理帖
つい最近、夢中になって読んだ本です。高田都[みをつくし料理帖シリーズ]
「八朔の雪」「花散らしの雨」「想い雲」「今朝の春」の四冊です。
続き物で最新刊の「今朝の春」は出たばかりで、まだまだ続く模様。
江戸を舞台に大坂生まれの若き女料理人、澪が様々な苦難や逆境に見舞われながらも周囲と縁を結び料理の道を極めようと真っ直ぐに進む物語。
実は自分ではあまり興味を引かれない類の本なのですが、1、2作を母親が貸してくれたのであまり期待もせずに読んだのですがこれが面白い
1、2作と続けて読んだら続きが気になって仕様がなくなって3、4作を自ら買ってしまいました。
まだまだ続くようで先が気になってたまりません。
時代小説としても楽しめるし、次々出てくる料理にも魅了されますが何より澪の控えめながら芯の強い真っ直ぐな性格と料理への情熱、そしてまわりの人々の暖かさ。
私は装飾的な文章も好きですが、本作品の大げさな表現や言葉さえ抑えたような簡素な文がとても好ましく、抑えられている分、想像が大きく広がり、その静かな表現からあたたかな世界観が浮かび上がります。
人と人とのつながり、それに対しての感謝、いのちをつくる食べ物。基本的な、でもとても大切な事が丁寧に書かれています
巻末には作中に登場した料理のレシピが。
簡単に手に入る材料ばかりなので試してみたくなります
最新刊の「今朝の春」は九月末に出たばかり、続きが待ち遠しいです