...Nothing Like The Sun

...Nothing Like The Sun

ホワイトレゲエなロックバンド「ポリス」を解散後、ファースト・ソロ「The Dream Of The Blue Turtles」、ライブアルバム「Bring On The Night」をリリース。
そして本作、1987年リリースのSTINGセカンドソロアルバム「...Nothing Like The Sun」
中3の時に三条河原町に当時あったJEUGIAで購入した以来、現在も愛聴し続けています。
その後の日本にもやって来たツアーで甲子園球場にも行きましたが、ライブも素晴らしかった事を憶えています。

前作のファーストも好きなアルバムではあります。
ポリス時代から含め、現在まで多くの魅力ある楽曲を作っていますが、このセカンドアルバムはマストであります。
シェイクスピア劇のセリフから引用したタイトルなど相変わらず知的な彼ですが、ジャジーなポップスでヒットした「イングリッシュマン・イン・ニューヨーク」や「ウイル・ビー・トゥゲザー」などアップテンポな曲も含まれていて、それなりに聞きやすく完成度の高いアルバムに仕上がっています。

しかし全編を通して良い意味で重ダルいというかムーディーな雰囲気。 
軍事政権下のチリで愛する人を奪われた女性を歌った「孤独なダンス」など政治的メッセージを含んだ曲なども収録され、またレコーディング中に母が他界した事や以前のツアーで訪れた南米などで知り得たベンジャミン・アーネスト・リンダーというアメリカ人のエンジニアの死をテーマにした「フラジャイル」
ジミヘンの「リトル・ウイング」のカバーも秀逸です。
憂いを帯びた空気感のあるアルバムに仕上がっています。

The Dream Of The Blue Turtles
Bring On The Night

前ソロ2作ではベーシストである本人がベースを弾かず、マイルス・デイヴィスバンドで活躍したダリル・ジョーンズがベースプレイをしていたが、今作では再び自らがベースを。

ブランフォード・マルサリス、ケニー・カークランドなど前作参加のジャズ畑のメンバーに加え、エリック・クラプトン、マーク・ノップラー、マーク・イーガン、ポリスの盟友アンディ・サマーズ、ギル・エヴァンスまでもがゲストでジャズからロック畑まで超豪華。
またドラムのマヌ・カチェとマイルスバンドからウェザー・リポート後期メンバーのパーカッショニストのミノ・シネル達のリズム隊がシャープで強烈。
ジャジーな雰囲気をベースにレゲエを含めたアフロカリビアン色の濃いアレンジの楽曲などがタイトなリズムと相性バッチリでアダルトです。

メッセージを含めムードやセンスを感じさせてくれ、アダルトな世界を教えてくれた小生のマストなアルバムの一枚です。
お時間がおありの方は自らがギターを弾く収録曲の「フラジャイル」を。