長岡弘樹 傍聞き
以前はなが~い小説が好きでしたが、最近はちょっとした時間にさらりと読めるような、短編集などを好むようになりました
あんまり長いと、ちょこちょこ読んでたら読みきるのに時間がかかってしまうからです
その点、短編だと短い時間でも読めますし満足感もあります
今回ご紹介するのも4つの短編からなる本です
長岡弘樹 傍聞き
表題作の「傍聞き」で2008年の日本推理作家協会賞短編部門を受賞しこの作家さんの名を世に広く知らしめたそう。
「傍聞き」は娘を持つ女性刑事、「迷走」は仇ともいうべき患者を搬送する救急隊員、「899」は赤ちゃんの救助に向かう我が子を亡くした消防士、「迷い箱」は退職を考えている更正施設の女性施設長。
と全て立場の違う主人公ですが、どれも本当に面白い
ミステリーというジャンルで、確かにあっという展開や結末もスリリングで面白いのですが、描かれている人間模様が素晴らしくて、本当にあっという間に読んでしまいました
根底に優しさが流れていて、読後感が爽やかです
短編ならではのスピード感、もう少し読んでいたい…という長さ、本当に絶妙です。
薄い本なので読みやすいですし持ち歩きにも
オススメです
聞き慣れない“傍聞き(かたえぎき)”とは漏れ聞きの事だそう。
人が話している内容を傍らで聞く、という。
音が美しいですね