さよならドビュッシー
この間お話したお客様は、本がお好きだとこと。
なぜかと言うと、文面から自分で様々に想像力を働かせられるからだそう
映像などはそれのイメージが入ってきてしまうから、文章の方が自由に自らの想像をはばたかせられるんですって
とてもアーティスティックな方だなあと思いました。
この前読んだ本はミステリーなのですが音楽を題材としていて、読んでいて音楽が流れてくるようでした。
この方はどんな感想を持たれるだろうなんて考えちゃいました。
中山七里「さよならドビュッシー」
ピアニストを目指す主人公の少女。
火事によりいとこと祖父を失い、自身も全身に重度の火傷を負う。
傷ついた不自由な体でそれでもピアニストを諦めない事を誓うが、身辺で様々な不穏な事件が起こり…
『このミステリーがすごい!』大賞を受賞したそうです。
ミステリーとしても面白いのですが、多くの部分を占める音楽や演奏の描写がものすごいんです
クラシック音楽などに全く知識のない私でも引き込まれるように読み進んでしまいます。
細かく繊細な描写で、頭の中に音楽が流れてくるよう
作中に出てくる楽曲を聴きたくてたまらなくなります。
そして驚愕のラスト
最後までゆるむことなく一気に読んでしまいます。
これが良かったので次作の「おやすみラフマニノフ」も続けて買っちゃいました
さよならドビュッシーがとても良かった上にラストでだいぶびっくりしたので、注意深く読んでしまったのですがやっぱりまたコロリと驚かされてしまいました
この作家さん、すごい力量ですよね
ドビュッシーやラフマニノフの調べとともにもう一度読み返したい作品です
なんと、この作品、2013年春に映画化されるそう
音と映像がリンクするのも素晴らしいでしょうね