飛騨の円空
ただいま、東京で大変興味深い展覧会が開催中なのです
「飛騨の円空-千光寺とその周辺の足跡-」です。
東京国立博物館で1月12日から4月7日までの開催です。
以前もご紹介した事がありますが、円空は江戸時代に全国を行脚し、各地でたくさんの仏像を残した僧です。
現存するのは五千体あまりといわれ、この展覧会では岐阜県内にある百体が展示されているそう
岐阜は円空が生まれ、そしてその長い旅路の果て、晩年を過ごした場所であり、多くの素晴らしい円空仏が発見されています
みどころとして、円空仏の中でも屈指の名作とされる「両面宿儺坐像」は江戸時代以来300年ぶりに寺外で公開
白洲正子がその書の中で“美しい”と記した「三十三観音立像」、なんと秘仏の「歓喜天立像」は千光寺でも7年に一度しか見られないのですが今回特別ご開帳などと盛りだくさん。
円空仏の多くは伐採した木をたち割り丸彫りしたもの、ノミの跡が残り表面には漆などがぬられていません。
すべて高山の木で作られたもの、木目が節が見える背丈を越すほどの大作から木っ端で作られた小さなものまでの円空仏が立ち並ぶ様は飛騨高山の森が東京の上野に出現したかのごとく見えます
円空仏は時折作風も変容しますが特徴的なのは規範にのっとらず、装飾をそぎ落とし極端に単純化されたような仏のお姿。
荒々しいノミの跡も数えられるぐらい、まるでミニマリズムのアートのよう。
でもそんな荒削りながら仏様のお顔がとっても優しかったり、立ち姿のラインがとても美しかったり
厳しい修行の中で腕もどんどん研鑽されていき手数が少なくかつ効果的で美しい表現を手に入れたのでは
以前に見た時も荒削りで硬質なただずまいでありながらも、どこかユニークであたたかみを感じ、ずっと見ていたくなりました
やはり木彫りの仏像はステキです
そして今発売中の美術手帖はなんと円空特集
円空の解説、写真も素晴らしくこれを見たらますます円空展に行きたくなります
マンガ家の井上雄彦が飛騨高山に『円空に出会う旅へ』向かうという特集もありなんとも豪華
もちろんみうらじゅん氏も円空について語っております
東京にまで行く価値あり
必ず見に行こうと思います