もこもこもこ
お店に時々小さなお子さんが来られる事があります。
お客様であるお母さんが連れてこられたり、もちろんカットしにも来て下さいます
そんな時、そのお子さんがお店に置いてある絵本に見入る姿がなんとも微笑ましいです
私も子供の時は絵本が大好きでした
そんな私が大人になってから買った絵本があります。
「もこもこもこ」文:谷川俊太郎 絵:元永定正
詩人・翻訳家・脚本家・絵本作家の谷川さんが文を書き、具体美術の代表的作家でもある元永さんが絵を描かれている絵本です。
私は以前に具体の展覧会に行ったのですがそれが本当にとても楽しく面白かったので、そこで出展されていた元永さんの名前も印象に残っており、本屋でこの絵本を見つけた時に即購入したのです
開いてみると、「もこもこ」や「にょき」「ぷうっ」などと楽しい擬音語ばかり、そして元永さんの美しい色彩の、でもなんだか不思議な絵の数々。
なにも説明がなく、なんだコレは…と何度も何度も読み返すうちに単純な言葉の音の楽しさとほわんとして優しく重なる色合いの絵に心奪われ、子供の頃のようにまっさらな気持ちで絵本に見入ってしまいました
元永定正さんは三重県生まれ、1955年に「具体美術協会」に参加。
絵本、絵画、オブジェ、インスタレーション、パフォーマンス、舞台美術、阪神淡路大震災のためのモニュメントなど、活動は多岐に渡りジャンルを超えて国際的に活躍された作家さんです。
元永さんと谷川さんが作ったこの絵本はなんと、50万部を超えるロングセラー本。
特に赤ちゃんに大うけなのだそう
このお二人は同じ時期にニューヨークに留学していて、なんと同じマンションにお住まいだったそうなのです
その頃からの交流の延長のような形でこの本が出来上がったのだとか
元永さんが描いた絵に谷川さんが文をつけたそうです
中に書いてある谷川さんの文章がとっても良いですよ
“もとながさんは、えかきのくせに、にんじゃのしそんで、にんじゃのしそんのくせに、ろしやじんみたいなかおをしていて、ろしやじんみたいなかおをしているくせに、〈そやけどねえ、あかんわ〉などといいます。
もとながさんは、へんなえばかり、かきます。ぼくはもとながさんのかく、へんなえがだいすきなので、いっしょにこのえほんをつくりました。そうしたら、えほんもすこしへんなえほんになりました。かぜをひかないように、きをつけてよんでね。”