吉原炎上
LIFE ADORE店長のRUMIです
最近昔の日本映画を観ます
着付けをさせて頂いているのですが、元々時代劇は好きで最近は年代物の貴重な着物を見る為に、映画で昔の着付けや組み合わせを研究しています
メイクもヘアーも着付けも自分の行動範囲を見渡すと、沢山勉強材料があるので、必ずしもお金をかけて学ぶだけではありませんね
さて、1987年に公開された吉原炎上は、名取裕子さん主演の吉原遊郭を舞台に、5人の花魁の悲喜を書いたストーリー
名取裕子さん、かたせ梨乃さん、根津甚八さんなど、実力派の役者さんが全力で挑む息を呑むシーンが沢山あります
この映画の中では赤色が多く使用されるのですが、昔の着物の赤はとても美しく、何だか底ならぬ力強さを感じます
聞くところによりますと、蚕の質自体が今とは違うらしく、強くてしなやかで太いシルクが生産されていた為、質の高い発色や生地になったそうです
また、髪簪の大きなべっ甲も何本あるのという位ブスブス刺さっているのも、目を奪われました
当時花魁の髷(まげ)は自分の髪で結っており、遊女の髷は「横兵庫」という結い方です
日本の髪結いの凄さを感じざるを得ない芸術品
新日本髪はゆえるのですが、「横兵庫」もいつか出来るようになりたいです
着物の裾の合わせ方・見せ方・襟の抜き具合・胸元のつめ方などなど、印象に残るところが沢山
映画なので主役からエキストラまで、おそらく本物の年代物の着物を着ておられますし、うわぁ~と主役の着物や簪に見入っていると、何気なく前を通るエキストラの花魁が凄く妖艶な目元口元だったり、裾の模様がたまらなかったり
同じ日本の何百年前には、髪を結い着物を着て、更には遊郭たるものがあり、そこで生まれた物を今私が映画を通して、騒いでいるというのが凄いなぁと思います
昔は色んな禁止令がありましたが、簪も禁止された時に簪は耳かき状になり、取締りの際には「携帯耳かきですけどナニカ」と逃れたそうです
更には遊郭では花魁が簪で膝枕をして、耳掃除してくれるのも時代の流行になりました
禁止令もアイディアに変えてしまう貪欲さ
恐れ入ります
「吉原炎上」自体お笑い芸人の友近もモノマネする程、ファンも多く大変有名な映画ですが、ピチピチな名取さんがめっちゃくちゃ可愛いです
それに皆一生懸命なんです
どんな世界に生きようとも、それが自分の望んだ世界では無くとも、生き抜く強さは美しく儚いのですね
いや~女は強うございます
皆様も、ご興味あれば、着物にも頭にも注目しながら、一度ご覧下さいませ
私もお勉強の為、まだ何回かリピートします