桐野夏生「OUT」
友達が貸してくれたこの本が面白すぎて、一晩で一気読みしてしまいました
桐野夏生「OUT」
OUT。アウトです。
すみません、今更ですよね
それはもう、大ヒット作品です。
1997年に発表された作品で(十年以上も前なんですね)
当時とても話題になり本は売れに売れ、映画にドラマにと映像化もされその内容、人気と共に大注目された作品ですね。
読んだ事がない方も、内容は知っている…という方が多いのでは
私も当時の人気沸騰ぶりを覚えています。
そして、この本を貸してくれた友達と一緒に映画も観に行きました
しかし、普通の主婦達がバラバラ殺人に加担する、という衝撃の内容は覚えてはいるもののどういった結末を迎えるのか…というのはまっったく覚えておらず
読んでたら思い出すかなーなんて思いつつ読んでいたのですが、思い出すどころかまるで新たな物語を読むかのように先の展開が全く分からずに大ハマリ
映画も面白かった、という覚えはあるのですがやはり小説の方は各登場人物の心情や抱える事情などが丁寧に書き込まれておりどんどん引き込まれていきます
久しぶりにまさに寝食を忘れ没頭してしまいました
これは上下巻で、友達が貸してくれたのは上巻だけだったのでもう続きが気になって気になって
貸してくれるのを待てずに本屋に走ろうかと思うほど
あらすじをご紹介しますね。
深夜の弁当工場で働く4人の主婦。辛い仕事だが、それぞれこの仕事をせざるを得ない事情がある。
ある日、若い弥生が発作的に夫を殺してしまう…。
弥生が助けを求めた雅子が選んだのは死体をバラバラにして殺人を隠蔽する方法。
大きな渦に巻き込まれるかのように4人は秘密を共有する。
転がり落ちるかのように周囲も巻き込んで4人の運命は加速度的に突き進んでいく…。
私も下巻を読んでいないので、まだクライマックスを知らないのでこれぐらいしか分からないのですが…すみません。
友達いわく、ラストがすごいとの事です。
それがまた気になって仕方ありません。
いや~しかし映画の内容を全く覚えてなくてびっくり。
出演者などは覚えているのですが、肝心のストーリーが思い出せない
しかし友達いわく映画とはラストが全く違うとのこと。
「あれは映像化出来ないわぁ~」と言ってました。
映画も気になるので、本を読み終えたらもう一度観ようかな、と思いました。
当時は普通の主婦がバラバラ殺人を犯す、というショッキングな内容が取り沙汰されていたようなイメージがありますがその普通の主婦達の背景がきちんと描写されたこの小説は、バラバラ殺人という猟奇的な恐ろしさより普段の日常から生まれてくるほころび、というような恐怖の方が私には心に迫りました。
小説の中だけと思えない、自分にも起こりうるような、そんな身近な物語に感じました
この作者の作品を他にも読んだ事がありますが、女性の描き方が本当にリアルでそこから生まれるドラマが血肉を伴ったものでなかなかゾクゾクするのです。
きれいごとだけではない、人間の内面をえぐるような描写が容赦なくてそこが面白いです。
写真を拝見しましたが、キレイな方ですね
とにもかくにも早く下巻が読みたい~
久々に寝るのを惜しんで一気読みしてしまいました。
有名な作品ですが、まだの方はぜひ
バラバラ殺人といってもそんなに気持ちの悪い場面は多くないですよ~