エンドレスポエトリー
ライフの宮川です。
カルトの鬼才、アレハンドロ・ホドロフスキー監督の新作「 エンドレスポエトリー」を観て来ました!
前作「リアリティのダンス」の続編になるこちら。
前作では故郷トコピージャでの少年時代を描き、 今回は首都サンディエゴで過ごした青年時代が舞台になっています 。
前回も叙情的なストーリーとカラフルで美しい映像に感動しました が、今回もその素晴らしさは変わらず、更に“生きる” という事へのエールが力強く散りばめられています。
前作から出ている可愛い少年がいきなりオッサンになる所はちょっ と笑ってしまいましたが、 この青年時代のアレハンドロ役を演じるアダン・ ホドロフスキーはなんと監督の末息子。
リアリティのダンスでは音楽を担当していましたが今回はなんと主 演。
本人もビックリだったそう。
アレハンドロの父親役は前作に引き続き監督の長男ブロンティス。
なぜこの監督がカルトの鬼才など言われるかと言うと… とにかく難解、エログロ。
以前の作品に比べるとだいぶ見やすいと言われているこの映画もず っと???な方もおられると思います。
見やすいとはいいつつしっかり18禁。
そんなに過激なシーンがあるわけではないんですけどね。
この主人公の息子さんもあっさりと全裸になってます。
本業はミュージシャンだそうで、 それにしてはすごい俳優魂じゃないか…!とビックリ。
アーティスト一家だし大丈夫なのかもですが、 そんな激しめの映画でも家族みんなで支えているのがすごい。
この映画も根底に家族愛が描かれています。
アレハンドロ青年も少年時代から今に至るまで両親との確執に悩ま されています。
この映画の最後、 アレハンドロ青年は父と訣別してパリに旅立つのですが、最後に監督 自身が記憶を優しく書き換え父を受け入れます。
自身は両親からのまっとうな愛を受けられなかったけれども、 今はこんなに理解のある家族に囲まれているという事にも感動。
息子さん、お父さんの事を尊敬しているんでしょうね。
前作と同じくチョロチョロと監督自身が登場するのがコミカルでス テキです。
詩を志すがなかなか上手くいかず鬱屈するアレハンドロ青年を監督 が「生きろ!!ただ生きろ!!」と励まします。
映画を観ている全ての人に送るメッセージなのでしょう。
生きている事が芸術だ、と。
監督が作中で語る数々の言葉はたくさんの苦労と不遇を味わった人 生から生まれた金言ばかり。
なんとこちらの監督ヒストリー五部作の予定で、 まだ続きがあるそう!
御年88歳、そのあふれるエネルギーに圧倒されます!
あと三作も作るのね!!楽しみ!!!