FROM AFRICA WITH FURY: RISE

言わずと知れた黒人解放運動家であり、アフロビートの創始者、黒い弾丸、フェラ・クティ Fela Anikulapo Kuti。
その息子であるシェウン・クティ Seun Anikulapo Kutiのセカンド・アルバム。
SEUN ANIKULAPO KUTI&EGYPT80「FROM AFRICA WITH FURY: RISE」
聴くだけで確実に体温が一度アガります。
 
FROM AFRICA WITH FURY:RISE

親父と同様にミドルネームにあるアニクラポとは「死を操れる者」の意味だそうです。
腹違いの兄、フェミ・クティもまた父の遺伝子を引き継ぎながらも独自の音楽観を追求しているが、シェウンの方がどちらかと言えば父直系のスタイルなのは父をサポートしていたEGYPT80を率いているからかもしれない。

父フェラ・クティのレコードから聞こえる闘争、怒りなどから感じられるカオスな音に比べると洗練されて聞こえるのは録音技術の向上ももちろん、ブライアン・イーノによる整然たるプロデュースワークも関係しているとは思うのだが、おそらく彼は彼であるからである。
 
Seun Anikulapo Kuti

偉大な父の幻影を背負いながらも自身の表現方法を模索している、彼もまた闘争しているのであろう。
父の熱心なファンやリスナーは期待を込め愛情を一身に捧げ、結果嘆くのも充分理解出来る。
しかし長島一茂は長嶋茂雄でいる必要もなく、父とは違った天然キャラで良いのである。
私の持論です。
と話は逸れてしまったのだが、CDは全7曲46分30秒の間ビートが鳴り止まず、一本のブッとい火柱のようだ。

SEUN ANIKULAPO KUTI&EGYPT80

前のアルバム収録曲「Fire Dance」ステージが色鮮やかです。
長いですが、ライブはもっと長そうだ。