仏像に出会う旅3
今回の仏像に出会う旅3は一番大好きな仏様なんです
場所は白洲正子も愛した滋賀県湖北、観音の里。
他に類を見ない程狭いエリアに観音様が密集している仏好きにはたまらない仏ゾーンです
JR米原駅から車で40分ほど走ったらそこは高月町・木之本町エリア。
私は今回JRでのんびり、目指すは高月駅。
降りたすぐに井上靖の記念碑があり多くの文化人に愛された地なのだと分かります。
降りたすぐに井上靖の記念碑があり多くの文化人に愛された地なのだと分かります。
駅から歩いて10分もかからないぐらいの場所に目指す観音様がおわします
渡岸寺観音堂(向源寺)
滋賀県伊香郡高月町渡岸寺50
0749-85-2632
拝観時間9時~16時 無休 拝観料300円
このお方です。国宝、十一面観音菩薩像
国宝の十一面観音菩薩像は7体あり、その中で最も美しいといわれるお方です。
気高いお顔と腰をひねったようなふくよかで生々しい躍動感。
美しい…
しばらく放心して見つめる事しばし。
他の拝観者の方も美しさに目を奪われています。
他の拝観者の方も美しさに目を奪われています。
その内に、お坊さんではない地元の係の方が観音様の説明をして下さいます。
そうなんです、ここ観音の里では無住のお寺が多く地元の方々が昔から大切に観音様をお守りされているのです。
拝観の時も大変アットホーム、個人のお宅にお邪魔している気分になります。
そこもとても好きなんです
久しぶりに行ったこちらは観音堂が新しくなっており、観音様の周りをぐるりと一周出来るように。
お陰で大変美しい後ろ姿もじっくり見る事が出来ました
腰のラインがなんとも悩ましげ…
また会いに来ます
美しい観音様を堪能して、ふと地図を見るとご近所にもうひとつ観音様がおわすお寺が
せっかくだしと歩いて移動。
目指すお寺の看板を見つけたのですがあれ神社
目指すお寺の看板を見つけたのですがあれ神社
とウロウロマゴマゴしているとご近所のお父さんが「どこ行きたいの」と見かねて声をかけて下さいました。
「浄光寺はどちらでしょう…」
「ここや~」神仏習合のお寺だったのですね。
しかもなんとそのお寺は拝観が要予約。
こちらも無住のお寺なので地元の方が交替でお世話化係をされているので拝観の際はその方にお願いするのです。
そうか~、調べもせずに来てウカツだったな…帰るか。
と思ったのですがそのお父さん、「せっかく来てくれたんやから観音様拝んでいきー。」とおもむろにそのお世話係の方々に電話して下さるじゃないですか
そしてもう夕方なのにお世話係の方も快く来て下さったんです。
その方もすごく良い方で「よく来てくれたね~」と歓迎して下さり。
そしていよいよご開帳…となったのですが「アナタの方が良いのでは」となんと…観音様がしまわれている収蔵庫の扉の鍵を開けさせて頂く光栄を賜りました
様々な仏様に会いに行きましたがこんなの初めて感激です。
そしてまさに観音開き、お出ましになった仏様は長らく秘仏だった事もあり色が美しく残っております。
中国風の色合いが濃い観音様でした
中国風の色合いが濃い観音様でした
なんと、写真撮影までOK
初体験ばかりです。
全てこれも先ほどのお父さんのお陰…。
全てこれも先ほどのお父さんのお陰…。
そのお父さんも交えて仏様の前でしばし歓談
お二人とも「また来て下さい」との温かいお言葉。
なんとお父さん、お土産に柿まで持たせてくれるではないですか
なんて優しく温かい土地、そしてお人なんでしょう。
本当にありがとうございました。また絶対行きます
浄光寺
滋賀県伊香郡高月町落川
電話番号はなしです。
毎年8月の第一日曜日にふるさとまつりが行われて、その時にこの湖北の観音様が一斉にご開帳になるのでこの時に是非とお誘い頂きました。
この地域の観光協会の電話番号を載せておきます。
高月町観光協会 0749-85-6405
帰り道、夕日がとてもキレイで、満ち足りた気分で家路に着きました。
皆さん、観音の里、本当に素晴らしいですよ
土地の人々に昔から愛されてきた守り神なんだなあと感じます。
ずっと変わらず優しい佇まいでこの土地と人々を見守る仏様、なんだかとても身近に感じられます。
ぜひ行ってみて下さい