世界一の映画館と日本一のフランス料理店を山形県酒田につくった男はなぜ忘れ去られたのか
LIFEの杉山です
岡田芳郎著『世界一の映画館と日本一のフランス料理店を山形県酒田につくった男はなぜ忘れ去られたのか』をご紹介したいと思います
1930年、山形県酒田に生まれ20歳であの淀川長治さんにも世界一といわしめた伝説の映画館『グリーン・ハウス』を経営、34歳に料理の世界へ入って『レストラン欅』に次いで、開口健ら数々の食通を唸らせたフランス料理店『ル・ポットフー』を経営した伝説の男、佐藤久一のお話。
豪華な内装や一流の接客で『世界一デラックスな映画館』と呼ばれた『グリーン・ハウス』でしたが、1976年の歴史的な火災である酒田大火はグリーン・ハウスが火元で起こった火災でした
この事件は佐藤久一の運命を大きく変えますが、すでに料理の世界に足を踏み入れていた佐藤久一は、ここでも最高のレストランを造り上げます
映画館もレストランも両方に言えるのは佐藤久一という男の絶え間ない情熱とハイレベルなホスピタリティに満ちた過剰なまでのサービスでした
山形県酒田は小さな町で東京などから通うにはとても時間が掛かりますし、そんな小さな町で一時代を築いた佐藤久一の人生はとても謎めいています
日本中の食通を唸らせるレストランの支配人として君臨した佐藤久一でしたが、料理に注ぐ執念は多大でありながらその損得抜きのサービスは経営破綻を生む事となります
のちに酒に溺れ最後は食道癌でこの世を去る事になるのですが、その光と影に満ちた人生には注目せざるを得ないものがあります
熱い人生を生きた佐藤久一という男の物語。
僕も見習うところが一杯です。
お勧めの一冊です