ヘルタースケルター

ＬＩＦＥの杉山です

夏もまっさかり、まだまだ暑い日は続きそうですね

でも映画館の館内はとても涼しく、Ｔシャツ一枚だと寒いくらいでした

そんなわけで映画『ヘルタースケルター』を観に行ってきました

岡崎京子さんの漫画が原作のこちらの映画。沢尻エリカさん演じる『りりこ』は全身整形をしてまでも美を手に入れ、芸能界でトップに上り詰めます

しかし、そこから過剰な整形による身体組織の衰退と目まぐるしく変化する芸能界の人気のポジションは彼女の精神をも蝕んでいきます

トップであること、いつまでも美しくあること。

それは女優とかモデルとかだけではなく沢山の人々がもっている業なのでしょうね

沢尻エリカさんご本人のスキャンダラスな一面は見事に『りりこ』というキャラクターの栄光と退廃の不安定で危うい姿に反映されます

多くの人が「沢尻エリカさんが演じてなんぼ」と思ったことと思います

監督の蜷川実花さんは写真家としては実力者であることと思いますが、映画監督デビュー作の『さくらん』ではその映像美には誰もが納得ですが、映画自体の内容にはけっこう賛否両論な声を聞きました。

しかしながら偉そうな事を言わせてもらうなら、蜷川実花さんは確実にこの映画で映画監督としての実力をアップされたのではないでしょうか

その極彩色の世界観はもはや、ただの彩りではなく蜷川実花さんの世界を魅せつつ、映画に溶け込んでいたように思いました

蜷川実花さんは女性を撮ることに、ただ可愛いとか美しいというだけではない女性の内面にある毒もきっちり映し出すことができる人なんでしょうね

沢尻エリカさんの脱ぎっぷりとか、大胆なシーンが取り沙汰されて話題になっているようですが、それだけで終わらすにはもったいない映画だと思いました

余談ですが『りりこ』のマネージャー役を演じている寺島しのぶさんの演技が素晴らしかったです