天国旅行
杉山店長よりお借りした「風が強く吹いている」ですっかり三浦しをんさんのファンになった本好き宮川です
以前読んだ「きみはポラリス」が良かったので本屋さんで平積みされているのを発見したこの天国旅行も即買いです
「きみはポラリス」同様、あるテーマに沿っていくつかの短編が収められています。
今回は「天国旅行」という名の通り、“心中”がテーマなのだとか
時代劇や小説、映画ならば目にする事もあるテーマですがやはり少し現実離れしたテーマなのでは…
と思いますがそこは三浦センセイ、「きみはポラリス」でも一味もふた味も違う恋愛小説で楽しませてくれた手腕で様々な“心中”を物語ってくれます
そう、心中がテーマだからと言って悲しいお話ばかりではないのです。
読み終わって、あっそうかこれも心中なのかと思わせられたり。
心あたたまるものもあれば、うらやましいなあ…
なんていうのも、死者へ問いかけるも返されない分、強烈な余韻を残すもの…。
どれも異質でありでも美しいものばかりです
自殺志願で富士の樹海に入る中年男性が不思議な青年と道を共にする、‘森の奥’という章が好きです。まさに「道行き」…。
この本を買ってから知りましたが、この本の題名の「天国旅行」はTHE YELLOW MONKEYの『天国旅行』という曲からとられているのだとか。
イエローモンキーは高校生の時、大好きだったんですよね~
この本を見た時、まさかそうだとは全く気付きませんでしたが
好きなアーティストの曲が使われてるなんて…なんだか感無量
さらりとしていてでも研ぎ澄まされた言葉達がきらきらと輝く、素晴らしい本です