常照皇寺
ここも自力では絶対に来れないと思われる、 とても交通の便の悪いお寺です。
山門が既に山深さを物語っております。
ここには、勅使門と呼ばれる皇族のみが使用できる門があります。
そして、白い壁には五本の横線が入り「定規筋」 というらしいのですが、最上級の格を表し、 ここが皇族ゆかりのお寺であることを示しているのだそうです。
そんな風にして、お寺の壁を見た事は無かったです。
「常照皇寺」は、光厳法皇が晩年に開山したお寺だそうで、 だから五本線の白壁なのですね。
ここのお寺は、お庭が大変美しくて見応えがあります。
本堂を挟んで、手前には桜のお庭がありました。「御車返しの桜」 や国の天然記念物「九重桜」や御所より株分けした「左近の桜」 が植わっており、春には桜の名所でもあるようです。
出来れば、また桜の季節にも訪れてみたいです。
そして、お堂の奥のお庭には紅葉の木々。
裏山の景観も相まって、大変綺麗な景色でした。
赤と山の緑と空の青のコントラストが、 池に写るとより一層彩度を増しているように思えて、 ついつい見惚れてしまいました。
光厳法皇は、 天皇の座に就きながらも後醍醐天皇に即位を否定されたため、 歴代天皇125代には含まれていないという悲しき天皇だと教えて 貰いました。
晩年を過ごされたこのお寺では自然を愛でながら、 心穏やかに過ごされたのかなとやや哀愁にふけったり…。
なかなか車が無いと来れない場所ではありますが、 また訪れたいお寺として脳裏にインプットされました。