つぶ焼 かど屋
釧路市の飲屋街、末広にあるこちらのお店は京都ではちょっと見か けないタイプのお店です。
つぶ焼とはつぶ貝を焼いたもので、こちらではそのつぶ焼とラーメ ンがいただけるお店です。
53年続く、地元の人たちに愛される名店であります。
ここいらの人たちは「つぶ」って呼ばれて親しまれています。
まるでたこ焼きのように焼かれていくつぶ貝たち。
でもただ焼いたらいいってもんでは無いらしいです。
刺身に使うつぶ貝は、まつぶ(エゾボラ)というものらしいですが 、こちらで提供されるものは厚岸産の青つぶ(エゾヒメボラ)とい って、脂分とコクがあって熱を加えることで旨味を増すのだそうで す。
しかも2日かけて砂抜きをした後、下茹でして毒のあるアブラとい う唾液腺をカットして硬くならないように絶妙の火加減で3回も焼 いだ後に、旨味を落ち着かせるために1日寝かせてから初めて網の 上に置かれるといったこだわりぶり!
もはや美味しいつぶ貝を食べさせたいという愛と情熱以外の何者で もありません。
いよいよ焼きあがったつぶ貝は、置かれる所が削ってくぼみを作っ た専用の板に乗ってご登場。
横から楊枝を差し込んで、捻りながら殻から身を取り出します。
それにはちょっとしたコツがあって、慣れてる人は素早く綺麗に取 り出します。
熱々でぷりぷりの身が、甘辛いタレとつぶ貝の出汁と合わさって絶 品です。
相方には冷えた地酒の福司(フクツカサ)を。
間違いないこのコンビネーション。
末広町は昭和感の残る味のある飲屋街でした。
次に来るときはその奥深さを探求するために、さらに他のお店も堪 能したいものであります。