The End Of Violence エンド・オブ・バイオレンス

The End Of Violence エンド・オブ・バイオレンス

LIFE / LIFE ADOREのタチバナです。
The End Of Violence エンド・オブ・バイオレンスは、日本では1998年に公開されたヴィム・ヴェンダース監督による暴力を封じる為の監視システムにまつわる陰謀を描いたサスペンス映画です。

The End Of Violence エンド・オブ・バイオレンス

The End Of Violence エンド・オブ・バイオレンス

そのサウンドトラックは挿入曲、ボーカルトラックが収められていたヴァージョンも別にリリースされていましたが、インストルメンタルスコアのトラックのみでライ・クーダーがプロデュースしていたのが本作です。

The End Of Violence エンド・オブ・バイオレンス

ライ・クーダーといえばスライドギターの名手であり、ブルースやR&Bなどのアメリカンルーツを掘り下げるスタイルで作品をクリエイトし、世界各国のルーツミュージックにスポットをあてた作品などや多くのサウンドトラックを手掛ける事もある才人。

The End Of Violence エンド・オブ・バイオレンス

以前にブログにてご紹介していたブエナビスタソシアルクラブでも、キューバのミュージシャン達を世に知らせてくれていました。
御年73歳。
今も現役であり、新作もリリースされています。
今作でもプロデュースと共に、変わらぬドシブなギター演奏を。

当時に今作のプロモーションを聞いた時に、ヴェンダースの新作のサントラをライ・クーダーが担当することを聞き、私が愛する映画「パリ、テキサス」以来のコラボレーションを嬉しく思った事を覚えています。

そしてもう一つのサプライズが、ミックスと数曲をプロデュース及びコ・プロデュースを担当しているのがイギリスの奇人変人ミュージシャンでありながらエンジニア&プロデューサーであるHOWIE B.だということ。
ミキシングボードを操作しているのが彼で、右の御仁は音楽の造詣も深いヴィム・ヴェンダース監督です。

The End Of Violence エンド・オブ・バイオレンス

昔から好きなアーティストでしたので嬉しいニュースでしたが、当初ライ・クーダーとハウィーB.の絡みが正直ピンと来ませんでした。
しかし妄想が得意な自分ですので、マジ興奮した事を覚えています。
即買いしましたw

The End Of Violence エンド・オブ・バイオレンス

多くの上質なアルバムや楽曲をリリースしているライ・クーダーですが、従来からのファンからにはさほど評価をされていないと思う本作です。
しかし私には、ド・ストライクでした。

いつものライ師匠の乾いたロンサムなギターの生音と、奥行き深いアブストラクトでアンビエントな音響空間、なおかつエフェクトを多用したハウィーB.ディレクションの音がハマっています。
師匠のルーツミュージックを掘り下げた作品も好きではありますが、今作の全体を覆うムードが超絶に好きです。
フラコ・ヒメネスのアコーディオンもノスタルジックな哀愁を感じさせ、そしてフューチャリングされているジョン・ハッセルのトランペットもガチでヤバス。

アレンジが絶妙で、音の配置とバランスが秀逸です。
鑑賞時になんとも味わい深い響きが、それぞれのシーンに完全にシンクロしていてサブイボな記憶が…

好きな音楽は無数にあり、その数は少しずつ増えますが、これからも思い出した時に聴くだろう一枚であります。

The End Of Violence エンド・オブ・バイオレンス